遺産相続とは?相続対象となる遺産と対象外の遺産の具体例を紹介!
遺産相続とは
遺産相続とは、亡くなった人が遺した権利や義務などの財産及び遺産を、相続人に引き継ぐことを指します。
亡くなった人のことを「被相続人」、財産を引き継ぐ人のことを「相続人」と呼び、原則として被相続人の配偶者や子供などの家族関係にある人が相続人に該当します。
遺産を相続する場合、
- 相続する遺産はどういったものがあるのか
- 相続人は誰になるのか
- 相続する遺産の分配割合はどうするのか
上記の3点を確認・協議する必要があります。
また、遺産相続手続きに併せて被相続人が加入していた保険や年金に関しても、必要な手続きを行うことになります。
遺産相続の対象
プラス価値となる遺産
1土地・その土地に存在する権利
ex)宅地、農地、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地など
2家屋・設備・建築物
ex)戸建住宅、共同住宅、マンション、店舗、工場、貸家、駐車場、庭園設備等の付属設備など
3預貯金・現金・貸金庫内の財産
4有価証券
ex)国債証券・社債・株式・手形・小切手など
5貸付金・立替金などの債権
ex)第三者への貸付金債権や税金の還付金債権、未収報酬債権、損害賠償請求権、慰謝料請求権などの債権
6知的財産権
ex)著作権、工業所有権など
7事業用財産
ex)機械器具、農耕具、棚卸資産(商品、製品、原材料)、売掛債権など
8家庭用財産
ex)自動車や貴金属、絵画骨董品など
9その他
ex)立竹木、クラブ会員権、占有権、形成件など
マイナス価値となる遺産
1借入金
ex)住宅ローンの残高債務、カーローン、クレジット残債務など
2未払金
ex)土地や建物の賃借料、水道光熱費、通信費、管理費など
3敷金・補償金・預り金・買掛金・前受金
4保証債務・連帯債務
5公租公課
ex)所得税、消費税、住民税、固定資産税、土地計画税、相続税、贈与税、国民健康保険料など
6葬式費用
ただし、資格や権利などの被相続人に専属していたものに関しては、遺産相続対象外となります。
遺産相続の対象となるのは、一般的にイメージされやすい「現金」「土地」のようなプラス価値がある資産以外に、被相続人の「借金」や「未払金」などのマイナス価値がある資産、いわゆる負債も含まれます。
また、第三者の借金の連帯保証人、所得税や住民税の未払い分がある場合は、相続人が代わりに支払うことになります。
対象外となる遺産相続
被相続人が有していると思われる財産でも、相続対象にならない財産もあります。
大きく分けると以下の3種類です。
一身専属権
一身専属権とは、特定の者のみに帰属する権利、または他人による行使が認められない権利であり、第三者に譲渡することができない権利です。
ex)身元保証人である地位、雇用契約上の地位、組合員の地位、代理権、扶養請求権、生活保護受給権など
保険金・退職金・年金
生命保険金や遺族年金などは、被相続人の死亡を契機に受け取れるようになることから、相続対象となると考えている方が多いかもしれません。
しかし、これらは「受取人固有の権利」として考えられ、相続対象の財産には含まれません。
なお、生命保険金や死亡退職金は「みなし相続財産」と呼ばれ、相続税の課税対象となります。
受け取った場合には、相続税を支払わなければならない可能性があるので注意が必要です。
相続税に関しては、別記事にて詳細を取り上げていますのでご参照ください。
祭祀財産
祭祀財産とは、祭祀を営むための系譜、祭具、墳墓のことです。
系譜
系譜とは、先祖から子孫へと先祖代々の血縁関係のつながりが描かれている絵図や記録のことです。
系譜の代表例としては、掛け軸や巻物として受け継がれている家系図などが挙げられます。
祭具
祭具とは、祭祀が行われる際に使用する器具の総称です。
位牌や仏像、仏壇や神棚などこれらに付属した用具の全てが該当します。
しかし、建物の一部となっている仏間に仏壇や神棚などを設置していたとしても、祭具に含まれません。
墳墓
墳墓とは、故人の遺体や遺骨が葬られている設備のことです。
遺体や遺骨が埋葬してある墓碑(墓石)、遺体を入れる棺などだけでなく、墳墓の敷地である墓地も含まれるとされています。
しかし、墓地については「墳墓と社会通念上一体のものと捉えられる程度に切っても切れない関係にある範囲の墳墓の敷地である墓地」に限られており、あまりにも広大な土地は含まれないので注意が必要です。
これらは被相続人から受け継ぐことになりますが、祭祀を主催すべき者が承継するとされており、相続財産には含まれません。
まとめ
今回の記事では、遺産相続をテーマに
「遺産相続とは?」といった内容から、
- 相続対象となる遺産の具体例
- 相続対象とならない遺産の具体例
など、遺産相続の基本となることを紹介しました。
次回は、
- 今回紹介した遺産を受け取る権利を有する人
- 受け取る人ごとの割合
に関して紹介します。
今回の記事内容と併せて確認し、遺産相続についての理解を深めてください。
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